急性虫垂炎

子供の時に多く起こる「急性虫垂炎」

「急性虫垂炎」は、通称「盲腸」と言われる腸の一部に起こる炎症のことです。
虫垂炎は年代を問わず誰にでも起こることがある病気ですが、発症例が最も多いのは10才台の子供です。
逆に2才以下の乳幼児に起こることは滅多にありません。

しかし乳幼児期の急性虫垂炎も全くないというわけではなく、そのため発見が遅れて腸に破れが起こってしまうこともあります。

虫垂炎が起こるしくみから説明をしていくと、これは小腸と大腸のちょうど境目付近にある「虫垂」という小指大の小さな器官で起こるものです。

人の内臓は中心部に小腸があり、その外周を大きく回るように大腸があります。
小腸と大腸の境目は右下腹にあり、虫垂は下向きに飛び出すようについています。

虫垂は特に何らかの役目のある器官というわけではなく、そこにあることで時々小腸から大腸に進むはずの老廃物の一部が入り込んでしまいます。

糞石かんとん(便の固まりが入り込むこと)や、リンパ濾胞(リンパ組織の集まったもの)が虫垂に入り込むとそこで増生をして内部が詰まった状態になります。

そこに細菌が感染して炎症が起こることにより、強い痛みを伴う虫垂炎の症状が見られます。
大人の体に起こる急性虫垂炎の自覚症状としては、まず右下腹の痛みがあり経過とともに次第に痛みの場所が上に移動していきます。

吐き気や嘔吐が伴われることも珍しくなく、横になった時に背骨を曲げて右下腹を押すと一時的に痛みが収まるといった症状も出てきます。

子供の場合も基本的には強い痛みを伴うということでは一緒なのですが、どこがどう痛むのかがうまくコミュニケーションできないことで発見が遅れてしまうことがあります。

子供の虫垂炎でよく起こる特徴

子供の虫垂炎でもう一つ難しいのが、問診だけでなく検査も非常にやりづらいということです。
虫垂炎の診断には直腸指診や超音波検査がありますが、直腸指診は子供の場合非常に強い痛みとなることから実施をするのは困難です。

超音波検査の場合にはかなり正確に虫垂炎の診断をすることができ、その他の症状も一緒に検査ができるので現在小児科では、虫垂炎が疑われるときには超音波診断が主に用いられます。

子供の虫垂炎では大人の器官よりも小さいことからせん孔(詰まり)が起こりやすく、そこから腹膜炎に進展しやすいという特徴があります。

他にも大人の虫垂炎によく見られる発熱や白血球の増加といった症状が子供ではほとんど見られないということも注意すべき点です。

最初強い痛みを訴えていた子供が一時的に痛みを感じなくなることもよくあるのですが、これはせん孔した膿が体内に開放されたことが考えられます。
腹膜炎に進展する危険な状態なので、痛みがなくなったからと安心せず小児科を受診しましょう。